おかんの涙

中学3年生の長女の吹奏楽を聴ける機会があった。

市内の中学・高校の吹奏楽部が順に演奏する舞台。

屋外ステージでたくさんの人が集まるお祭りで、

私たち家族は一番前の席に座った。

このお祭りは、コロナで4年ぶりの開催らしい。

娘の学校は2番目の演奏。

舞台には、1番目の中学校の生徒さんたちが準備を始めていた。

全員で12、3名だったかな。部員がとても少ないらしい。

久しぶりにみんなの前で演奏するようだった。

みんな持ち場で準備しているのだけれど、

嬉しい!ちょっと恥ずかしい、ドキドキする、やっぱり嬉しい!

が前面に出ていて、眩しくて、全然知らないお子さんたちなのだけれど

涙が出そうだった。

間もなくして演奏が始まった。

私は吹奏楽にぜんぜん詳しくはないのだけれど、一人一人の音がしっかり出ていて

演奏者が少ないことを感じさせない、のびやかな演奏だった。

むしろ、一人一人のうれしい!が聴こえてくるようで、

私はなぜか号泣してしまった。

めちゃくちゃがまんしたのだけれど、がまんすればするほど涙が出てくる。

ほんとにね、みんながまんしたんだよ。

コロナ禍の数年間、吹奏楽の練習もままならず、演奏会だって軒並み中止。

やっと聴いてもらえると思ったら、無観客演奏だったり、人数制限でまばらなお客さんだったり。

いろいろ思い出されてきたのかな、私。

そのときはなぜ涙があふれてくるのかわからなくて、

でもきっとみんなの嬉しい楽しいのエネルギーを一番前の席でいっぱい浴びたんだと思う。

結局、自分の娘の演奏のときには涙も止まって、ただただ微笑ましく聴いていた。

なんで??

隣にいた夫も謎すぎる嫁にドン引きしていたことでしょう。

最初に演奏していた学校の子どもたちの中で

「一番前でめっちゃ泣いてたの、誰のお母さん?」

「さあ、、誰??」

ってなっていたとか、いなかったとか。

まったく知らんけど!笑

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